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野生動物と人間の暮らしを守るためにできること
野生動物と言ったら皆さんはどんな動物を思い浮かべますか?
危険なイメージや可愛らしいといった様々なイメージを持たれる野生動物による被害は全国各地で起きています。
野生動物の種類によっては大型のクマなどは人を襲う危険がありますが、街中の住宅地など、家屋の屋根裏などに侵入する中型の野生動物が増えています。
糞尿被害や騒音被害、建物を傷めてしまったり、害虫や病原体を保有している可能性もあるため健康被害にまで繋がることもあるのです。
時には人間を見て襲い掛かってくる獰猛な動物もいますが、ほとんどは人間を見ると逃げていくイメージがありますね。
そんな野生動物がなぜ人間に被害を与えるのかを考えてみましょう。
目次
野生動物と人間との距離
野生動物は厳しい自然環境の中であらゆる困難と隣り合わせで生きています。
本来なら山間などから民家などには危険を避けて下りてくることは滅多にありませんでしたが、近年では民家などに頻繁に出没、民家の屋根裏などに住み着いてしまうといった被害が増え、野生動物の生態系にも変化が起きています。
理由として森林伐採、森林開発が進み、野生本来の生息場所が限られてきてしまったこと。
餌が食べれず、病気に罹ってしまったり、多くは寿命が尽きる前に他の動物に食べられたり、衰弱して死んでしまいます。
衰弱した動物の死骸を食べ、次の命に繋がるという自然本来の姿が本来の野生動物の過酷な生態系とも言えます。
しかし、本来の生態系に変化が起こるように多くの野生動物たちは生き抜くために田畑や民家にまで来るようになりました。
人の生活場所と野生動物との距離が近くなりました。生き抜くために警戒しながらも深夜に餌を求め農作物を荒らしたり、身を守るため、安心できる場所として民家や倉庫、小屋などに侵入し住み着く個体が増え続け様々な被害が生じています。
農作物被害、生活被害、時に人間に危害を与えるクマやイノシシ、ニホンザル、ハクビシン。カラスやドバト、コウモリなどの繁殖。
生態系への悪影響を及ぼす元々いなかったはずの外来生物までも、ペットとして飼育されていた後に何らかの理由によって人間が放ち繁殖していったと考えられるアライグマ、キョン、アカゲザルなどの出没も起きています。
彼らも生き抜くために厳しい状況の中から、街中にまで現れているのが現状と言えます。
野生動物の本来の生態系を守るために
野生動物の生態系について、まだまだ分からないことが多く、彼らの持つ病原体やそれを媒介する免疫などについても未だに解明されていないことが多いのが現状です。
例年のように増え続ける農作物被害では、豊富な食料となる田畑や野菜ハウスにまで侵入されイチゴなどの果物を食べられてしまうなど多くの被害が起きています。
そんな中、外敵が増えたり、身を守る安全性を見つけるために家屋などに侵入するハクビシンやアライグマ、タヌキなどの中型の野生動物の繁殖が増えているのかもしれません。
野生動物についての生態や習性を良く知り、被害を回避させられるよう予防対策が必要となり、追い出しや追い払い作戦として農業の方々の対策に力を入れていらっしゃいます。
野生動物本来の生態系を守るためにも住民の方々や、国民の一人ひとりが考えていかなければならない問題と言えます。
公共の場所でも、人間の捨てたゴミなどを狙うカラスやドバトなども目立つようになりました。
生態系を壊してしまうことに繋がるため、餌付けやゴミなどの捨て方にも注意しながら寄せつけないための対策を行う必要があると言えます。
家に住み着く野生の鳥や獣たち
近年、コウモリやハト、ムクドリなども戸建て住宅やマンションに巣を作り糞尿や鳴き声などの被害が増えています。
猫よりもやや大きめなハクビシンやタヌキなども住宅、戸建てのお家、民家などの屋根裏などに侵入して出産をしたり、糞尿被害などが起きています。
それが原因で室内にダニやノミなど、寄生虫が発生して健康被害まで引き越してしまう事例も生じています。
そんな野生動物たちには「鳥獣保護管理法」という法律で命が守られ、日本の法律や条例には「鳥獣保護法」「狩猟法」「動物愛護法」などの動物への様々な決まり事があります。
鳥獣保護法の目的とは?
鳥獣保護法とは、鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化を図る目的の法律です。
例えお家に侵入された野生動物を追い出すことが目的であっても捕まえる行為、捕獲を行う際にも鳥獣保護法に基づいて原則禁止となっています。
やむを得ない場合、許可申請が必要となり、大型の野生動物では、「狩猟免許」を取得した者、様々な許可が認められた上で活動しています。
許可を得るには、いくつかの条件や様々な手続きが必要となり、許可を得るのにも日数が掛かる場合があるため、小中型の野生動物において、一般家庭など通常の駆除としては野生動物に触れることなく屋外へ追い出し、屋内に再び侵入させない施工を行うことがメインとなります。
この法律があることで、コウモリや鳥類などの野生動物が家の中に侵入されても、ネズミのように罠を掛けて捕獲は行えないのです。
私たちの暮らしに害を与える野生動物が近年増え続けていますが、彼らの本来持つ生態系を崩さないためにも、動物たちを傷つけずに様々な工夫や対策で被害を食い止める必要があります。
ネズミは捕まえていいの?
クマネズミ・ドブネズミ・ハツカネズミなど
住宅や店舗などで被害をもたらすとされる
イエネズミは環境衛生の維持に重大な支障を及ぼす恐れがあるため、鳥獣保護法の対象から除外されています。
そのためネズミ被害での捕獲は手続きや申請などを行わずに捕獲を行う事が認められています。
暮らしを守るために
野生動物の発生によって大きな被害が起きているのも事実であり、とても深刻な問題です。
大型の野生動物では、クマやイノシシの出没により、人への危害も起きています。
野生動物たちもこの日本で人間と共存するように生息し、彼らも行き抜くために命をかけて生きています。
その中でも自然界で生息する野生動物のなかには、一部の人間の無責任な放棄や管理が原因で繁殖していったり、外来種が増えたのは今に始まったことではないと言います。
そんな実状のなかでも私たち人間ができることを学ぶ必要があるように思います。
私たち人間の暮らしの中にできるだけ彼らが近づきにくい環境を作ること。
野生動物を傷つけることなく追い出す駆除作業を行い被害を減らしていく必要があります。
私たち人間、そして野生動物たちにとってより良い環境づくりや自然環境の維持を守る対策を考えていきましょう。